戻る  ■ Liar

 ベッドの軋みで、我に返る。
 ――繰り返されようとしたキスを、あたしは手で遮った。
「どうした?」
 その手は、大きな手につかまれて。
 見つめてくるのは蒼い瞳。
 あたしは。
「……もう、部屋に戻る」
 つかまれた手をほどいて、そう、呟いた。
 ここは、あたしの部屋じゃなくて。あたしは隣の部屋で。
 だから自分の部屋に戻るのは普通、で。なのに。
「なんで?」
「……なんで、って」
 再び手をとられて。てのひらに、口付けられる。
 いつのまに、ガウリイの傍に居るのが当然になってるんだろう。
 ガウリイも。……あたしも。

「……傍に、いたくない、の」
「でも触れてるのは、好きだろ?」
「……キライ」
「ふーん?」
 あたしの言葉に、それでも返ってくるのは笑顔。
 ――全部見透かしてる、ような瞳で。
「なに笑ってんのよ、ばか」
「ん? 嘘が下手だなと思って」
 頬に手が触れてくる。距離が近付く。
 くやしくて、押し戻す。
 ……敵わなくて、すぐにまた引き寄せられた。
「好き、だろ?」
「違――」
 唇を塞がれる。重ねただけで、離れて。
「――欲しいだろ? もっと」
「ほしくない……」
「じゃあ、なんでまだ居るんだ?」
 そんなこと知らない。
 返事を言葉にする前に、また、ガウリイがあたしに触れて。

 きらい。――スキ。

 認めたら、溺れてしまいそうで。

「あんまり嘘ばっかついてると、よけい溺れるぞ」
「ほっといてよ……」
 唇が触れてくる。指で、煽られる。
 それだけで、言葉はどうでもよくなってしまうから。

 どれだけ抵抗しても。
 きっともう、逃げらんないのかもしれない――


■ Comment ...

なんか思い切りガウ×リナなのが書きたくなったので。
ガウリイさんダークグレイ全開なのはそのせいです(笑)
エイプリルフールに引っ掛けてこんなネタ。
リナ視点なので描写してませんが、もちろん表情でバレバレなのはお約束。

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