戻る  ■ Darkness ... ACT.0

 ――終わりは突然訪れた――

「……っ」

 つかまれた手首が痛かった。
 背中には冷たい壁の感触。
 強く押し付けられて、身動きがとれなくて。

「――ふ、っは……っあ、……」

 ぎしり、と木造のベッドが軋みを上げた。
 ようやく放された唇から、リナは反射的に大きく息を吸った。
 手首を捕らわれたまま、俯いて深い呼吸を繰り返す。

「……まあ、そういう――ことだ」

 短く言葉を放つ彼の声は、聞き慣れたはずのやわらかなそれとは違う、少しだけ低いものだった。
 視線を上げる。
 リナの姿を映すその蒼い瞳にも、普段の穏やかさが見つからない。

 そして、身体を強張らせたままでいる彼女の手首を放すと、彼は――ガウリイは、それ以上何も言わず、 リナの部屋を出ていった。
 あとに残された少女は、口元を押さえながら、ただ俯くだけだった――



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