戻る  ■ 勝手に想像小説 〜15巻 P252 L8〜

 滴が、床に染みをつくる。
 俯いたままのあたしの前が、ふと陰った。
 気付いて視線を上げてみれば、半身を起こしたガウリイがいて。
 そして彼は、あたしのほうへと手を伸ばす。
「……殴るなよ?」
「殴んないわよ……」
 苦笑して言う彼に、あたしも同じような笑みを浮かべて応える。
 そのまま、優しく引き寄せられて。
 いやだという気持ちは――感じない。
 むしろそれが当たり前かのように。ごく自然に。
 あたしは、ガウリイの肩に顔を押し当てた。
 ――ホントに。いつのまに、こんなに。
 こいつは、あたしの近くに来てしまったんだか。
 いつでも傍に。
 いつでも手の届く、場所に。
「――けど情けないよな」
 やがて、やわらかく、あたしを抱き締めたままで。
 言ったガウリイのことばに、あたしは顔を上げた。
「結局、また……お前さんに任せちまったな」
「……え……?」
「いつもそうだよな……
 オレ……動けなくなったり、途中で倒れちまったりして。
 結局、最後はリナに全部任せっきりだ」
 複雑そうな表情で、ガウリイはあたしを見つめる。
 太い指が、あたしの目もとをかすめて、涙を拭っていく。
「……仕方ないじゃない……それは……
 けど、ちゃんといっしょに戦ってるわよ。ガウリイ。
 あんたが……背中を、支えてくれてるから。
 だからあたしは、戦えるのよ……
 ……それに――」
 頬に添えられた彼の手のひらに、あたしは自分の手を重ねて。
「半分は――背負ってくれるんでしょう? ガウリイ――」
「……ああ……そうだな……」
 ほほえんで。
 そっと、ガウリイがあたしの瞼に口付ける――
「もう……大丈夫か?」
「……ん。ごめんね……ありがと……」
 うなずいて、あたしは笑う。
 涙は。
 もう止まっていた。

     〜P252 L9へつづく〜


■ Comment ...

リナの泣いたこのシーン。第一の感想は「やられた…」でした(笑)
いややっぱホンモノ(神坂先生)には敵いませんね〜(^^;
リナ、ガウリイの前でだけくらいは泣いてくれたらいいな、と思ってたのがこれだもの。
・・・そう、実はあるんですね。 14巻 のほうにも想像小説が。
ところが内容がどうにも。「やられた〜〜〜」なわけなんですよ(笑)

さて15巻。書きたかったのは、「殴るなよ?」「殴んないわよ」のやりとりだったわけで。
・・・つくづく好きですね天華根。こういうやりとりが(笑)
このシーン読んだとき、ガウリイにね、抱き締めててほしいなあと思ったのですね。
そのときに浮かんだ会話です。
あと、まぁ、「情けないよな」ってところは。
思ってても言葉にはしないかもなぁという気もしたのですが、ついつい書いてしまいました(^^;
すいません、本人ものすごくわかってるんでどうか突っ込まないでやって下さい(爆)

しかし個人的にはあの二人、雰囲気的にキスくらいまではいけそうな気がしたのですが、
どんなもんでしょうかね?
ま、妄想するだけならいいよね(笑)


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