| 戻る | ■ Propose -Case2- |
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「――どした?」 「え?」 どうやら、ぼーっとしてしまっていたらしい。 あたしは隣から訊ねる彼の声に、はっとして顔を上げた。 「ん、ごめん。何でも」 ないから、と続けようとしたあたしのことばは、彼の唇に消された。 「いいけどな別に」 触れただけで離して、そう微笑む。 ――なんでかなあ。 いつまで経っても……どきどき、する。 顔が、熱くなってしまう。 あたしはそんな自分を見せるのが恥ずかしくて、枕に顔をうずめた。 「ホント可愛いよなぁ」 楽しそうな声で、いつものように。 あたしの髪に、彼の指が触れて――ゆっくりと梳いていく。 視線を向けなくても、苦笑してるのが、解る。 「……髪。いじんないでよ」 「ん? だってリナの髪に触れてると、気持ちいいから」 いつだって、さらっとことばを紡いでしまう。 ――あたしとは、反対。 「自分のいじってればいーじゃない。ンなにさらさらしてるのに」 「オレはリナの髪のほうが好きなの」 言うなり、こめかみに口付けてくる。 「……なんでよ? はねてるし、あたしは男のくせにやたら上等な髪質してるあんたが憎ったらしいけどね」 「憎たらしいってお前なあ」 くしゃくしゃくしゃっ、とイキナリ頭を掻き回される。 「うだぁぁぁっ、もうっ! なにすんのよっっ」 「わぷっ」 飛び起きて、あたしは彼に枕を叩き付けた。 「あーもー、ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃないのよばかっ」 彼に背を向け、ぷちぷち言いつつ、乱された髪を手で梳き、直す。 「いいじゃないか別に。柔らかくて、ふあふあでさ。可愛いと思うぜ? オレは」 「……当たり前じゃないのよ。これでもきっちし手入れしてんだからね」 後ろから聞こえたことばに、あたしは背を向けたまま応えた。 何だか今日はその声が、いつもよりもっとやさしく聞こえて、身体の中がふわふわしてくる。 「それに――」 「わきゃっ」 くいっ、と後ろに引っ張られて、あたしは思わず声を上げた。 確認する間もなく、大きな腕の中に抱き込まれてしまう。 「ちょ、ちょっとなに……っ」 「子供生まれたら、どっちの髪質になるか楽しみでいいと思わん? 二人とも同じ髪質よりはさ」 ――ことばに。 あたしは抱き締められたまま、首をひねって、彼の顔を見つめた。 海の蒼。空の蒼。――けれど本物のそれに負けないくらいの、広く澄んだ深い瞳。 その中に、いるのはあたし、ひとりだけ―― 「……誰と誰、の?」 吸い込まれそうになりながら。 あたしが紡いだことばは、それだった。 蒼色が、やわらかく細くなる。 「オレとリナ……だけど?」 ふわりと。 唇に、彼が触れた。 そのまま、あたしの肩がシーツに沈む―― 「本気……?」 「……オレとじゃ嫌?」 微笑んだまま。 いつも、いつでも―― 「嫌なら、逃げていいんだぜ」 ――彼はあたしの応えを待ってる。 そしてあたしは。 「――嫌なら――とっくの昔に、蹴り倒して逃げてるわよ――」 彼の傍で――その前でだけは…… 知らなかった自分を、知らされたあたしを、見せてもいいと思う。
「……ガウリイ……」 |
| ■ Comment ... プロポーズシリーズ第二弾〜。 内容が子供ネタなのと、ケース1から約10ヶ月後なのは偶然(苦笑)
最初は「I'll be there」の第二弾を書くつもりだったんですが。
しかしガウリイ、子供つくるとなったら何人でもつくりそう。 |
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