| 戻る | ■ 日常茶飯事 |
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「いたっ」 道を歩いている途中。あたしはふいに何かに引っ張られて声をあげた。 「どうした?」 少し前を歩いていたガウリイが振り返る。 あたしが引っ張られたほうを見ると、髪が近くの樹の枝に絡みついてしまっていた。 「…うあ…」 小さく呻いて、あたしは枝に近寄った。 髪を軽く引っ張ってみるが、変なふうに絡んでしまっているらしく、取れない。 「何やってんだよ」 「見ればわかるでしょ。からんじゃったのっ」 近寄って声をかけるガウリイにそう応え、あたしはぐいぐいと髪を引っ張る。 ……傷むかも…… 「ちょっと待てよ。とってやるから」 あたしが返事をするより先に、ガウリイが枝に手を伸ばす。 ……のはいいんだけど。 思わず、あたしは身体を強張らせた。 ガウリイってば、あたしを抱え込むようにしてるんだもの。 「ちょ、ちょっとあの、ガウリイ?」 「動くなって。すぐとるからじっとしてろ」 言って、枝にからんだあたしの髪をほどきにかかる。 ……けっこう器用。 仕方なく、あたしはおとなしくしていることにした。 すぐ目の前にガウリイ。 …背、高いなあ…… あたしの頭の位置はガウリイの胸までない。 視線を上に向けると、ちょっとだけ真剣な表情してるガウリイの顔。 一所懸命とってくれているらしい。 ……いつも思うけどこいつそれなりの格好で黙って立ってれば文句ナシの外見してんのよね…… キレーなカオ…… 「…リナ?」 ふいに、ガウリイと目があう。 「どうかしたのか? 髪、とれたぞ」 「え、あ、…ありがとっ」 あたしは慌ててガウリイから視線をそらす。 不覚。見とれてしまった…… 「ちょっと傷んだかもな。…せっかくキレイなのにな」 そう言いながら、ひとふさ、あたしの髪を手にとるガウリイ。 うあ。そーゆー恥ずいことをさらっとするんじゃないぃぃぃっ。 「ガ、ガウリイだってキレイじゃないのよ」 「そか?」 短く応えて、ガウリイがほほえむ。 ……いいかげん放してよ髪。 「ほ…ほら、行くわよっ」 あたしはガウリイの横を抜けて、道へ戻ろうとした……のだが。 くんっ。 「…う!?」 後ろへつんのめり、あたしは声をあげた。 ガウリイがあたしの髪をつかんだままなせいで。 「な、なんで放さないのよばかっ!」 あたしが抗議すると、ガウリイは苦笑して、 「…いや……今度はオレがからまったみたいで」 のほほんと言うなぁぁぁぁぁっっ!! 「何やってんのよあんたはっ!?」 「だって気がついたらからまっててさ」 「しょうがないわねー、もう。とったげるわよ」 あたしはガウリイに近付き、樹の枝に手を伸ばしかけ―― 「? 何よ、どこにもからまってなんか……」 言いかけたとき、くいっ、とあたしの手がつかまれる。 「……!?」 そのことを理解するよりも先に。引き寄せられて、あたしの額に、ガウリイが口付けた。 ……って……え!? 「ひっかかったな♪」 あたしから顔を離して、にっ、と笑う。 ……こーいーつーはーっっ!!
直後、あたしの呪文が彼に炸裂したのは言うまでもない。 |
| ■ Comment ... 「髪」にからめた話。 はじめは確かふつーの、それこそ日常茶飯事な二人だったはずなのに 気がついたらガウリイがグレーになっとりました。(…いつのまにやら) なんていうかどっちの髪をからませるか迷って、リナにしたのはいいものの 書いてみたらなんかえらい短いわとか思って。 ついでにガウリイもからませてやれ、と思ったまではいいんですが、 気がついたらいつもの手の早い彼になってました(^^; ・・・思考回路が変なふうに働いた模様。
めずらしくラスト呪文でふっとばされてます。ガウリイ。 |
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